公開日:2022/07/30
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中古住宅の売却には、多くの問題課題が存在しています。
それらを、「透明性、納得性、安心・安全性、快適性、将来性」5つの視点で考えてみます。
前回の透明性、納得性に続き、三番目は安心・安全性の注意点を記載します。
①建物検査・診断による安心・安全性
民法において契約不適合という法改正が行われ、従来の売主瑕疵担保責任より厳しくなりました。建物に関して、隠れたキズ、不具合、
問題などを、きちんと検査して、その結果を買主に情報公開することが重要になっています。万が一、契約→引き渡し後、瑕疵が発見さ
れると、買主から損害賠償請求も発生するリスクがあります。
古くなった中古住宅の場合、契約書に契約不適合を削除することも可能ですが、買主さんは不安を抱えることになります。故に、悪いと
ころは悪いと伝えることが大事です。買主さんが分かった上で購入するなら問題は生まれません。まだまだ、日本では建物検査(インス
ペクション)の慣習が根付いていませんが、欧米では当たり前です。
②徹底した現地調査による安心・安全性
建物を検査すると同時に、騒音、越境、落雪などの影響、さらに事故死・反社会勢力の情報も、買主さんに取って重要なものになりま
す。これらについては、売却を依頼する不動産業者が現地で調査することは、必要な仕事です。これらを疎かにすると、やはり引き渡し
後、買主さんからクレームが生まれ、損害賠償もしくは契約が白紙になることもあります。
③売主さんからの聞き取りによる安心・安全性
長年住んだ家を売却する売主さんは、様々な情報を持っているはずです。良いことも、悪いことも、不動産業者に伝えることが大切で
す。売主さんの心理としては売却に不利になる要素を話しづらいかもしれません。しかし、買主さんにとっては購入するときの大事な情
報です。あとから、買主さんに不利益になる情報が発見されると、やはりトラブルになります。売主さんは、正直に、事実を伝えること
で、トラブルを防ぎ、安心・安全が担保されます。
以上、3点を記載しましたが、他にも注意すべき点はあるでしょう。売主さん、買主さん双方が安心・安全な取引を望んでいるはずです。
不動産業者の役割、責任は重いです。いいことばかり言う不動産業者にも注意が必要ですね!